問(1)はa1とa2を計算するだけの、試験問題としては簡単なものだ。教育的には、無理数の四則演算に関しての習熟度を問う、とかいうのが目的なんだろう。
力学的、あるいは量子力学的に(無理に考えれば)、2回の微分方程式を級数展開法で解く際に必要となる、2つの初期条件、あるいは級数の係数数列の最初の2つの要素の値、に相当するといえるのかも。
もっと簡単に考えれば、例えばある時間tにおける質点の位置x(t)を計算するときは、それより前の時間、例えばt-Δtにおいて測定した少なくとも2つの物理量必要だということだ。つまりx(t) = x(t-Δt)+v(t-Δt)Δt+....となるが、これはテイラー展開の考え方でもある。0<Δt<<1が満たされれば、この式の精度はよくなる。
また、数学的に見れば、フィボナッチ数列のように、an+1をanとan-1から導出するという考え方に準拠したものと言えるかもしれない。フィボナッチ数列は漸化式an+1=an+an-1によって生成されるが、最初にa1とa2を与えておかなければことは始まらない。通常はa1=a2=1とする。
(1) p-qの計算では、前回も書いたように、p=2+√5とおいた時に
が成り立つことに、まずは気づいて欲しいという「親心」だろうと思う。p-qという量は差であり、整数を与える。これをa1とおくというわけだ。答えは、a1=2x2=4。
(2)次はp2+q2 の計算。前回、これも基本量であると考察した。pq=1という重要な関係に注意すると、(p+q)2=p2+q2+2である。これを利用してp2+q2=(2√5)2 - 2 = 18=a2が得られる。試験問題的にはp-qが(1)で計算してあるのだから、(p-q)2=p2+q2-2とするのが普通だろう。
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