2014年1月20日月曜日

センター試験の数学Ⅰ(その1)

最後の更新から随分時間が経ってしまったが、仕事も一段落し、春まではまた時間が少し取れそうだ。また少しずつ考察を再開してみようと思う。

本日からは、昨日行われたセンター試験の数学の問題をちょっとずつ見ていこうと思う。

まずは数I。第一問は面倒くさそうに見える計算を、如何に簡単に計算するか、という計算の問題。これは昨年と同じ類いだ。今回は無理数が2つ与えられていて、次のような形となっている。

n,mは自然数。a,bは、分母と分子のそれぞれが、符号だけ異なる無理数になっているから、(x+y)(x-y) = x2 - y2が思い起こされる。だから最初に計算してみたいのはab、つまりaとbの積だ。実際それが最初の問いとなっている。答えはab=(1-n)/(1-m)と商の形となる。問題ではn=3, m=2だから、ab=2。

次は和、つまりa+bの計算。今度は通分するのがポイントなので、分母だけに(x+y)(x-y) = x2 - y2を使う。(a+b) (1-m) = (1+√n)(1-√m) + (1-√n)(1+√m) = 2(1-√(nm))。つまり、

と、うまい具合に√n、√m の項はキャンセルする。1-m=-1であることに気をつけると、a+b = -2 (1-√6)=2(-1+√6).

次は、a2+b2の計算だが、これはa2+b2=(a+b)2-2abと展開公式を使って、上で求めた和と積の結果を再利用すれば、ちょっとだけ計算が楽になる。最初に(1-√(nm)の二乗を計算しておくと、1+nm-2√(nm) = 1+6 - 2√6 = 7-2√6。だから(a+b)2=4(7-2√6), 2ab = 4となる。したがって、a2+b2=4(7-2√6 - 1) = 4(6-2√6) = 8(3-√6)となる。

(2)の最初はa2+ b2 + 4(a+b) = 8(3-√6) + 4・2(-1+√6) = 8 ( 3-√6 -1+√6) = 16。この式はaとbに関する二次式。だが、ab=2という関係式と組み合わせろ、という要求を覚えておく。最後の問いは、aの4次方程式が先の2つの方程式から導けるはずだ、という提案。要はbを消去せよということだ。そこで両辺にa2を掛けて、abの形を見えやすくする。a,bの2次式にa2を掛けるので、aについて考えればaの4次式にもなる。a4+(ab)2 + 4(a3+a (ab)) = 16a2、これをまとめればa4+4 + 4(a3+2a) = 16a2。つまり、a4+4a3-16a2+ 8a+4 =0。

最後の問題はちょっと不自然な感じもしないでもないが、2、3分もいじれば対処できるだろう。もちろん、日頃から受験勉強に慣れ親しんでいる人にとってみれば、「条件反射」だろうが...