高校数学の立場からすれば、判別式を使うのが常套手段だろうが、ここでは微分計算や行列計算を取り込んだ手法を採用して、大学の物理で使う手法にできるだけ近づけてみよう。
まずは、陰関数(x=y2+k)が登場しているので、大学の力学や熱力学でよくつかう微分記号によって微分係数を求めることにする。
C: dy = 2xdx, D: dx = 2ydy
つまり、微分係数は
C: dy/dx = 2x
D: dy/dx = 1/(2y)
となる。
次に放物線Cにおける接点を(x0,y0)と置く。
このとき、共通接線の方程式は y-y0= 2x0(x-x0) と書ける。ただ、x0は放物線C上の点だからy0= x02+kという関係がある。これを使ってy0を消去すると
となる。したがって、y=ax+bが接線の表現だというならば、
a = 2x0, b = -x02 + kという関係が成立する。この2式からx0を消去して整理すると-4b+4k=a2となる。
Dの接線に関しても同じように計算を進めればよい。が、xとyの交換に関する対称性を利用すると少しだけ「退屈しのぎ」ができる。Dの接点を(x1,y1)とし、上の関係式でxとyを入れ替えた式x=2y1y-y12+kを考えるのである。この式とy=ax+bを比較して, y1を消去すれば, 4ab+4a2k=1という関係を得ることができる。
2つの式を(あえて)行列で表現すると
となる。左辺の行列の行列式は-16a(a+1)なので, a≠0, a≠-1の場合は逆行列が存在して
を計算すればbとkをaを使って表すことができる。計算結果は
となる。ただし、a≠-1, a≠0という条件があることを忘れぬようにしてないと、後でひっかかる。この場合には逆行列をとる前の関係式まで戻る必要がある。
a=-1のときは、Cから求めた条件式とDから求めた条件式が一致して、-4b+4k=1となるが、これ以上先に進むことはできない。またa=0の場合, 接線の形がy=bに限定されてしまう。Cに関してはb=kとすれば良いが、Dに関しては接線は引けなくなる。つまり、この場合は解なし、つまり共通接線はないということになる。
a=-1の場合 (クリックして拡大) |
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