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2019年1月28日月曜日

確率の基礎:(2)積事象

積事象についてまとめておこう。事象Aと事象Bの積事象とは、事象Aに対応する集合Aと事象Bに対応する集合Bの「共通部分(重なり部分)」に対応する事象のことであり、ABと表される。和事象の関係式を変形すると、
AB=A+BAB
とも表せるが、あまりこの式は重要ではない。
積事象の確率P(AB)P(A)P(B)を使ってどのように表すことができるかが一番の興味だが、和事象の場合と同じように、条件によって表現が変わる。

和事象では「排反」という概念が重要だったが、積事象では「独立」という概念が重要となる。一般には、
P(AB)=P(A|B)P(B)=P(B|A)P(A)
などと表すことができるが、P(A|B)とかP(B|A)という確率が何を表すかが重要となる。これらは「条件付き確率」と呼ばれる。

結局、積事象とは、「Aであり、かつBである」ということだから、「Aが成り立つ」とか、「Bが成り立つ」という単発の条件は、必要条件とみなされる。したがって、積事象が成立するには、「まずBが成り立ち、その上でAも成り立つ」、あるいは「まずAが成り立ち、その上でBも成り立つ」という具合に考える必要がある。上の式のP(B)とかP(A)というのが、「まずBが成り立ち」とか「まずAがなりたち」という部分に相当する。ということは、P(A|B)というのは「(Bが成り立ち)その上でAが成り立つ」という部分に相当する。

独立事象というのは、P(A|B)=P(A)、あるいはP(B|A)=P(B)と書けるかどうか、という点で重要な概念であり、数学的には
P(A|B)=P(A|BC)
が成立するとき、つまりBであろうとなかろうと、Aの確率が一定であるとき、
P(A|B)=P(A)
が成り立ち、積事象は
P(AB)=P(A)P(B)
となる。

つまり、P(A|B)の値がBに依存しないとき、AとBは「独立事象」である。このとき、
P(A|B)=P(A),P(B|A)=P(B)
であり、
P(AB)=P(A)P(B)
となる。

たとえば、同じサイコロを2度振る事象を考えよう。1回目のサイコロの目という事象をA1、2回目のサイコロの目という事象をA2とすると、A1A2は独立であるから、A1A2A1A2と表せる。A1A2の全事象Uの要素はしたがって6x6=36個となる。

一方で、男女50-50%の集団を、喫煙/非喫煙で分けたとき、喫煙者の男女比が50-50となり、非喫煙者の男女比も50-50となるだろうか?もしそうならば、喫煙の有無と男女との間には関係(相関)はないから、それぞれの事象は独立となる。しかし、現実にはそうならず、喫煙者には男が、非喫煙者には女が多く含まれ、喫煙有無と性別は「独立な事象」とは認められない。

以上の内容は、こちらのノートを参考にした。

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