点P\((x_0,y_0)\)と直線\(y=ax+b\)の距離を求める公式を忘れてしまった時にやるべき計算をここに書いておこう。
直線上の点は\((x,y)=(x,ax+b)\)と表せる。したがって、直線上の任意の点と点Pの間の距離\(L\)の二乗は、
\[
L^2 = (x-x_0)^2 + (y-y_0)^2
\]
となる。この量をxで微分して、最小値を与えるQ(x,y) が求まった時、線分PQの長さが、点Pと直線の最短距離となる。
\(d^2\)をxで微分すると
\[
\frac{dL^2}{dx} = 2(x-x_0) + 2(y-y_0)\frac{dy}{dx} =2(x-x_0) + 2a(ax+b-y_0)
\]
したがって、極値(最小値)を与えるxは
\[
x=\frac{ay_0 + x_0 - ab}{1+a^2}
\]
である。これを\(L^2\)に代入すると、
\[
L^2 = \frac{(y_0-ax_0-b)^2}{1+a^2}
\]
を得る。したがって、点Pと直線の距離は
\[
L = \frac{\left|y_0-ax_0-b\right|}{\sqrt{1+a^2}}
\]
という形で与えられる。
この方法の「優れている点」は、高校の教科書には載っていない、直線上にある、点Pへの最短地点の座標が求まる点である。この座標の公式もセットで「記録」(記憶ではない)しておくと、いろいろな場面でいろいろ役立つだろう。
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