というもの。
まずは、f(x)の因数分解が\(c,c^{-1}\)のdualityにより、
\[
f(x) = (x-u)(x-u^{-1})(x-v)(x-v^{-1})
\]
となることは問(1)の結果から言える。また\(u,v>0\)も問(1)の結果として再利用する。
上の式を展開すると、
\[
f(x) = x^4 - (p+q)x^3+(pq+2)x^2-(p+q)x + 1,
\]
となる。 ただし、
\[
p=u+\frac{1}{u}, \quad q=v+\frac{1}{v}
\]
とした。\(u,v>0\)であることは、(1)で確認済みだが、p,qの範囲については調べないといけない。\(p=p(u), q=q(v)\)という関数だと思って解析すればよい。もちろん、こういうのは数値解析すれば一発なのだが、一応「マニュアル方式」もやっておこう。量子力学の1次元問題などでよくやる内容だから、やっておいて損はないだろう。
まずは漸近形である。つまり\(u,v>0\)の場合だと、\(u,v\rightarrow 0\)と\(u,v\rightarrow\infty\)という2つの極限領域で関数がどのように振る舞うかを調べる。明らかに、
\[
u+\frac{1}{u} \rightarrow u \quad (u\rightarrow \infty)\\
u+\frac{1}{u} \rightarrow \frac{1}{u} \quad (u\rightarrow 0)
\]
であることがわかる。つまり、原点付近で\(+\infty\)に発散し、(正の)無限遠でx軸に収束するように漸近するという大雑把な形状だ。その間の領域で極値を持つかどうかは、微分してみればすぐにわかるが、2つの漸近形であるuと1/uの競合ということになるから、きっとu=1/uが成立する辺りで極小値を持ちそうだというのは直感的に想像がつくだろう。
微分すると、
\[
\frac{dp}{du} = 1-\frac{1}{u^2} = \frac{(u-1)(u+1)}{u^2}
\]
であるから、増減表を作れば、u>0の領域では(予想通り)u=1で極小値2を持つことがわかる。つまり、\(u,v>0\)という定義域は、変数をp,qに書き変えると\(p,q\geqq 2\)に変わるということだ。
さて、gnuplotで表示してみよう。
縦軸がp(q)、横軸がu(v)に対応。 |
\[
a=p+q,\\
b=pq+2
\]
という対応があることがわかる。つまりaおよびbは、pとqの2変数に依存する関数 であるということだ。p,qは独立だからpとqの最小値2をそれぞれ代入すれば
\[
a\geqq 4 (=2+2)
\]
ということが示せる。
最後の問題に取り掛かろう。
問(3) \(a=5\)の場合、f(x)が因数分解できるような自然数bの値を求めよ。
問(1)-(2)の結果は全て使える。
\[
b=b(p,q)=pq+2\\
a=p+q=5\\
p,q\geqq 2
\]
である。まずはp,qが2より大きいという制限がどのような意味をもつか考えよう。pとqはa=5という条件により、今回は「束縛」(数学用語では拘束条件という)が入る。p=2のとき、q=3となる。これは許される。(同様にq=2のとき、p=3である。) pをもう少し増加してみよう。p=3のとき、q=2となり、これはギリギリOKだ。pがこれ以上大きくなると、qは2より小さくなって条件から外れてしまう。つまり、
\[
2\leqq p,q \leqq 3
\]
という制限がつくということだ。この制限を忘れないようにして、bからqを消去して、pの二次式として表し、bの最大最小の問題を考えよう。
\[
b=p(5-p)+2 = -\left(p-\frac{5}{2}\right)^2+\frac{33}{4}
\]
となるから、\(2\leqq p \leqq 3\)の範囲に(上の凸の)放物線の頂点は含まれている。
頂点の値は\(8 < 33/4 < 9\)であるから、bが自然数だというなら、まずは1,2,3,4,5,6,7,8に限られることがわかる。p=2のときb= 8。p=3のときもb=8。したがって、pの区間の中でbが取りうる自然数は8に限られる。つまり、答えは8となる。
postscriptで図示してみた。
座標軸において、Xはp、Yはbを表す。 |
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