2013年の国立大学の2次試験が行われている。東大の数学は昨日行われた。問題を見てみたが、難しそうなもの、簡単そうなものが入り乱れている感じがした。確率と立体図形の問題は、このブログではまだ扱っていないので、今回は見ない事にする。
問題1と問題4がどうやら行列と関係ありそうな問題に見える。何より、ベクトルが使われている。ベクトルと行列はセットで考えるべきで、量子力学的に考えるなら、ベクトルは物理状態(量子状態)、そして行列は物理状態(つまりベクトル)を操作する道具(角運動量や磁場など「回転」と関わったり、運動量など「並進運動」などと関わったりする「力学変数」に相当)と考えていけば、退屈な受験数学も、物理の練習問題として、多少は楽しめるというものだ。
問題2は、解の範囲を調べる解析の問題。これは、量子力学のエネルギー固有値の計算でよくやる問題に似ている。例えば、一次元の井戸型ポテンシャルの固有値の計算において、今回の問題2と似たような計算が登場する。その計算では、tanと半径aの円の交点を考える。具体的には、半径aを変えていくと、交点がどのように変わっていくかがポイントになる。今回の試験問題では、直線の傾きを変えることで、三角関数(および減衰曲線)を含む曲線との解の個数を調べる問題になっている。
問題5は、物理ではあまり出て来ないタイプの内容。ただ、暗号とか量子計算に関連する素数とか整数の問題に関わりがあると思われるから、まったく無視するわけにもいかないだろう。ただ、この問題はどちらかという純粋な数学に近い雰囲気がある問題だと思う。実際、私はこの問題の(2)は最後まで頑張るのはあきらめた...途中、面白い関係式は見つけたりもしたが、すぐにはどうやって解いていいのかわからなかった。(もちろん、(1)に関しては問題なかったが。)どうも99桁続く111....11というやつは3で割り切れるらしい。たしかに、11/3 = 3(余り2)、111/3 = 37(割り切れる)、1111/3 = 370 (余り1)、11111/3 = 3703 (余り2)、111111/3 = 37037(割り切れる)、....と行った具合に周期的に状況は推移する。割り切れるのは、3桁、6桁、9桁、と3の倍数の数だけ1が並んだとき。したがって、99回続く1は3で割り切れるのだ!
ということで、問題1、2、4を見て見よう。その他の問題については、後々の楽しみとしてとっておくことにする。
それでは問題1にとりかかろう。
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