2014年8月17日日曜日

センター試験の数I(その4)

第三問は図形の問題。パズルのようにして解いていくので、楽しいと思う人もいるかもしれないが、現代物理とはあまり関係がない。正弦定理..研究では.使ったことないし、その存在すら長らく忘れてしまっていた...余弦定理はごくたまに使うかもしれないが。まあ、正弦定理は余弦定理の応用定理だから、試験が終わって忘れていても、余弦定理さえしっかり理解しておけば簡単に導出できるから心配することはない。

物理への応用はあまり期待できないので、ここはpostscriptの勉強でもしながら問題を解いていくことにしよう。

今年の図形の問題は、三角形に外接する円が登場する。この三角形の一辺の長さは4、もう一つは2、およびこの2つの辺に挟まれた角の余弦(cos)が1/4と与えられている。電卓を叩いてarccos(1/4)を計算させると、凡そ75.5°となる。このすぐ後の小問でわかるように、この三角形は底辺が75.5°の二等辺三角形となる。精密な図形を描くのは大変だが、できる限り正確に描いてみよう。

まずは、外接円の「中心O」を描くことにする。そのために、絶対座標と相対座標を使い分けることにする。前者は「紙」の四隅の一つを原点とする座標。postscriptの場合は、左下隅が原点となり、右方向にx軸、上方向にy軸がセットされる。絶対座標を使うと、紙から図形がはみ出ることが多くなるので、原点を紙の中心部分に移動した「相対座標」を導入する。いままでの経験からして、だいたいx,yそれぞれの座標を250ずつ平行移動した感じでちょうど良くなる(平行移動に関しては第2問でちょっと扱ったが、ここでいまやっているような感じで、実際には応用するというわけだ。)そこで、相対座標の原点を、絶対座標における座標によってまずは定義しておく。対応する命令は
/x0 250 def /y0 250 def
と、こんな感じになる。

次に、この相対座標の原点を表す「点O」を描く。これは半径5の塗りつぶされた小円によって表す。対応する命令は
/r0 3 def 
x0 y0 r0 0 360 arc fill 
となる。 2行目が黒丸の円を描く命令。4と5番目の数字(0と360)では円周を一周分描くよう指定している。原点の周りに「外接円」を描いてしまおう。その半径はr0の30倍とする。
x0 y0 (r0 30 mul) 0 360 arc 
stroke 
ここまでの結果をまとめた図が次の図。

次に、この円を外接円とする三角形の頂点A,B,Cを円周上に置く。Aの位置は任意に選べるので、相対座標で(30 r0, 0)の場所におくことにする。これはx0 30 r0 mul add y0 movetoとして描画点の移動をしてから、x0 30 r0 mul add y0 r0 0 360 arc fill strokeとする。 点BとCは二等辺三角形の底辺にあるべき頂点2つなので、相対座標のx軸に対して線対称になるように配置されるから、B(R cosθ, R sinθ), C(R cos(-θ), R sin(-θ))に打てばよい。θは150°としよう。
/th 150 def 
/R r0 30 mul def 
x0 R  th cos mul add y0 R th sin mul add r0 0 360 arc fill
ここまでの結果をまとめた図は次の通り。
後は、頂点を直線で結べばよい。これらの操作をまとめると、次のようなpostscriptとなる。
newpath
/x0 250 def /y0 250 def /r0 3  def
/th 150 def /ph 35  def /R r0 30 mul def
x0 y0 r0 0 360 arc fill x0 y0 R 0 360 arc
stroke
/xi 0 ph add def
/x1 x0 R xi cos mul add def /y1 y0 R xi sin mul add def
x1 y1 moveto x1 y1 r0 0 360 arc fill
/xi th ph add def
/x2 x0 R xi cos mul add def  /y2 y0 R xi sin mul add def
x2 y2 r0 0 360 arc fill
/xi -1 th mul ph add def
/x3 x0 R xi cos mul add def /y3 y0 R xi sin mul add def
x3 y3 r0 0 360 arc fill
stroke
x1 y1 moveto x2 y2 lineto
x3 y3 lineto x1 y1 lineto
stroke
[2 1] 10 setdash
x0 y0 moveto x1 y1 lineto
x0 y0 moveto x2 y2 lineto
x0 y0 moveto x3 y3 lineto
stroke

三角形全体をちょっとだけ回転して不自然な対称配置を修正し、さらに頂点から原点までを点線で結んだ。対応する図は次のような感じとなる。
図が完成したので、問題を解くとしよう。

0 件のコメント:

コメントを投稿