2014年の数Iの第2問に入ろう。これは2次曲線の問題。2次曲線(あるいは2次関数、放物線,....)は物理では頻出するので、ここは習熟のために我慢して勉強しておこう。
この問題も、変数xと定数(パラメータ)aの2つが出てくる。どちらも実数であることは自明のこととなっている。まずは頂点の位置を平方完成などによって計算する(微分して、極小値の所、とやってもよいだろう)。答えは(-a, 2a2-6a-36). 頂点のy座標がaの2次関数となっているのが、あとで効いてくることは、この段階でも容易の想像できる。pとおけ、とすぐ後の文で指定されるので、案の定である。結局、pとはaの2次関数のことで
ということ。この問題は、xとaに関しての2つの二次関数を、混乱せずに並列して取り扱えるかどうかを問う問題といえる。
(1) p=-27と指定されてしまうと、2次方程式を得る。ここではa2-2a-3=0となるので、因数分解(a-3)(a+1)=0により、a=3,-1を得る。2次の係数は定数だから、放物線の曲率、つまり「形」はaの値と無関係で一定。一方、放物線の頂点はa=3のとき(-3,-36), a=-1のとき(1,-28)とaに依存する。以上より、x軸方向に4,y軸方向に8だけ平行移動すれば、a=3のグラフはa=-1のグラフに重なる。
(2)この問題の最後の部分だけがちょっとだけ面白い。が、最初の小問は基本問題のオンパレード。ここで間違えると大学には入れないだろう。
「x軸との共有点」とはつまり、2次関数y(x)が解をもつかどうか、ということと等価。重解も含めてよいので、判別式D=D(a)が0以上の正の数であればよい。D(a)=-2(a+3)(a-6)となるので、(a+3)(a-6)<= 0が求める条件となる。すなわち-3 <= a <= 6が答え。
次は、解が存在する範囲内において、p(a)の最大値、最小値を探れ、という問だが、最小値は下に凸の放物線なのだから、まずは頂点の位置が範囲内にあるかどうか探る必要がある。p(a)を微分するとa=1が極小値の位置となる。これは(2)で求めた範囲にあるため、ここで最小値を与えることがわかる。つまりp(-1)=-39が最小値。放物線の最大値は、左右の境界上のどちらかとなるので、a=-3とa=6の値を比較すればよい。が、放物線の対称軸(a=1)がa=-3の方に寄っていることから、a=6が最大値を与えることがすぐにわかる。つまりa(6)=36が最大値。
最後の小問は、条件が増えて考察すべき領域の重なりが単純ではなくなる分、「考える」楽しみがちょとだけある。その増えた条件というのが、「共有点のx座標がどちらも−1より大きくなること」というもの。共有点を持つという条件は上ですでに考察した(-3 <= a <=6である)。まずは、放物線の頂点のx座標が−1より大きくなければならないという必要条件を課すべき。それは-a > -1と表せるので、a<1を得る。さらに、この条件と共に、二次曲線のx=-1における値が正の値をとるという条件を課せば、必要十分となる。後者の条件は3a2-8a-35>0で、これを解くとa<-7/3, 15/2 < aを得る。まとめれば、-6<=a<-7/3という答えを得る。
また、直接的な条件から攻めるなら、2次方程式の解-a±√Dが-1より大きいことを使えばよい。2つの解の内、小さな方が-1より大きくなる条件を付ければ、大きな解が-1より大きくなるのは当然なので、-a-√D > -1という条件が必要十分条件ということになる。移項して整理するとこの関係式は1-a > √Dと書ける。両辺が正であれば、2乗しても関係は変わらないから(1-a)2>D(a)とできる。1-a>0であることは上で考察済みなので、2乗の操作は正当化できる。これを解けば、a<-7/3とまとめることができる。共有点が2つという条件と連立すると、-3<= a < -7/3を得る。
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