いつものようにpostscriptで作図してみる。まずは座標原点 をAにする。すなわち、A(0,0)とする。次に、Bをx軸に乗せ、B(5,0)とする。ここまでは任意に決めることができる。次に点Cの座標だが、Aを中心とする半径6の円と、Bを中心とする半径9の円の交点として計算できる。すなわち、x2+y2=62…(1),(x−5)2+y2=92…(2) という連立方程式の解を求めればよい。計算すると、C(−2,4√2)を得る。点DはCD=3とだけ指定されているので、Cを中心とする半径3の円周上のどこかにある。すなわちD(3cosϕ−2,3sinϕ+4√2)となるが、ϕの値は決められない。
以上の結果をまとめてpostscriptで描いた図が下図である。
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ϕ=240∘とした場合 |
まずはAB//CDの場合から考えよう。Dをϕ=180∘の場所に置いたときに相当する。この場合を図に表すと、次のようになる。
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ϕ=180∘とした場合 |
このときDの座標はD(3cos180∘−2,3sin180∘+4√2)=(−5,4√2)となる。対角線BDの長さはピタゴラスの定理を使ってBD=√(−5−5)2+(4√2−0)2=√132=2√33となる。
次にBC//ADの場合を考えてみる。直線CBの傾きは0−4√25−(−5)=−2√25であるが、AD//BCとなるためには直線ADの傾きがこの値に等しくなる必要がある。すなわち、0−(3sinϕ+4√2)0−(3cosϕ−2)=3sinϕ+4√23cosϕ−2=−2√25を満たすϕを求めることになる。この条件を整理すると、15sinϕ+6√2cosϕ=−16√2となる。sin2ϕ+cos2ϕ=1と組み合わせることでϕを求めることができるが、これは連立方程式y2+x2=115y+6√2x=−16√2の解の条件を調べることに相当する。ただし、x=cosϕ,y=sinϕとおいた。
xを消去し、yについてまとめると2次式を得る(yを消去し、xについての2次式にしてもよい)。338y2+20√23y+559=0 この判別式が負にになれば、実数解が存在しないということになるので、BCに平行な直線ADは円Cと交点を持たないことが証明できる。判別式を計算してみるとD′=(10√23)2−338559=18⋅9(24⋅102−3⋅5⋅112) ここで112=(10+1)2=102+20+1であることを利用すると
24⋅102−15(102+20+1)=(16−15)102−3⋅5⋅20−15=−2⋅102−15<0となって判別式が負値をとることがわかる。
試験問題では、角度∠ABC≡θについてのsinθ,cosθを計算させ、直線BCとADの距離が、円Cの半径(CD=3)よりも大きいことを調べさせている。余弦定理を使えば、簡単にcosθ=79,sinθ=4√29であることがわかる。点Aから直線BCに下ろした垂線の長さが、ADとBCが平行線となる場合の距離に相当するが、これはABsinθ=20√29>3=CDである。
ちなみに、直線ADがもっとも直線BCから「離れる」のは(つまり、直線ADが直線BCの平行線にもっとも近づくのは)、直線ADが円Cの接線となる場合である。AC=6, CD=3,∠ADC=90∘なので、この時三角形ACDは正三角形を半分に切った三角形となる。つまり、∠DCA=60∘,∠CAD=30∘である。これらの性質を用いて、点Dの座標を計算したり、平行条件を調べたりするのも興味深い問題であるが、それは後日の楽しみにとっておくことにしよう。
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