y軸上に点Q(0,c)を取る。c>0と仮定する。
つぎに、y=-cの水平な直線lを考える。
最後に、点Fからの距離と、直線lからの距離が等しくなるような点P(x,y)の集合を考える。
点Qと直線lからの距離が等しい点Pの集合は、 放物線となる。 |
PQの距離の二乗は(ピタゴラスの定理により)x2+(y-c)2であり、直線lから点Pまでの距離の自乗は(y+c)2である。条件より、これら2つの量(距離の自乗)が等しいとすると、x2+(y-c)2=(y+c)2が成り立つ。両辺を見比べると、y2がうまく相殺できることがわかる。これにより、yに関しては線形項(つまり1次の項)のみが残ることになる。xに関しては明らかに二次式なので、整理すると
式(1) |
c<0とすると下向きの放物線となる。この証明には、座標をy軸に関してひっくり返すだけでよい。その後で、上の議論を繰り返せば同じ結論を得る。c=0の場合は、直線lと点Fが重なってしまうため放物線にはならない。そもそも、条件を満たすような点Pは原点のみとなり、曲線を描くことはない。この理由によりc=0は除外する。
ここで登場した点Q(0,c)は幾何光学で重要な役割を果たす。この点を「焦点」という。「放物線で反射した光線は必ず焦点に集まる」という幾何学的な意味を持っている。この性質を利用しているのがパラボラアンテナだ。そもそもパラボラ(parabola)というのは「放物線」という意味の英語だ。
焦点の持つこの性質を、計算で確認してみよう。
(つづく)
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